人事担当者と応募者の最初の接点は、履歴書です。そのため、履歴書の書き方一つで、あなたの第一印象が大きく変わります。
- プロジェクトマネージャーの履歴書って、どう書けば良いの?
- 人事担当者の目に留まる履歴書の特徴とは?
- 記入ミスがあれば、印象が悪くなる。簡単に記入ミスを防ぐ方法を知りたい。
この記事では、「プロジェクトマネージャーの履歴書の書き方」から「記入ミスを防ぐノウハウ」まで、詳しく解説しています。
人事担当者の目に留まるプロジェクトマネージャーの履歴書とは
プロジェクトマネージャー(PM)転職における履歴書は、その重要性を決して過小評価すべきではありません。一見すると、フォーマットに基づき機械的に情報を埋めていくだけの単純作業のように見えますが、履歴書はあなたのキャリアと実績を伝える最初のチャンスです。
決められたフォーマットの中で他の応募者と差別化を図るためには、あなたの履歴書が人事担当者の目に留まる要素が必要です。例えば、志望動機や自己PRについて、限られたスペースの中で最大限に自分の強みをアピールすることです。
プロジェクトマネージャーは職務上、プレゼンテーション作成能力が求められます。提案書や企画書などを書くスキルは、そのまま履歴書に反映されます。自身の経歴やスキルをどのようにアピールするか、書類選考を通過するために極めて重要な要素となります。
下記の記事では、プロジェクトマネージャーの自己PR・志望動機の書き方からキャリアパスまで、プロジェクトマネージャーの転職ノウハウを徹底解説しています。
プロジェクトマネージャーの履歴書の書き方
日付
日付は履歴書の作成日ではなく、提出日を記入します。
(持参する場合は持参日、郵送なら投函日、メールなら送付日)
そのため、提出直前に日付を記入する人が多く、中には書き忘れる人もいますので、注意しましょう。
- 契約書類の日付が空欄になっている。
- クライアント向けの進捗報告書に日付を書き忘れる。
このようなプロジェクトマネージャーは、注意力が欠けていると判断されてしまいます。
「書き忘れないように」と思っていても、記入せずに、そのまま提出する人も一定数います。絶対に書き忘れないために、日付の箇所に付箋を貼っておきましょう。
写真
プロジェクトマネージャーの履歴書には、その人の印象を具体化する要素として写真が欠かせません。写真一枚があなたの第一印象を決定づける重要な要素となります。明るく、きちんとした姿勢で、自信に満ちた表情を見せましょう。
- プロフェッショナルを印象づける服装
ビジネススーツが必須です。色は暗めの色調が適しています。Yシャツは白、ネクタイは派手すぎないものを選びましょう。
女性も同様、ビジネスシーンに相応しい服装がおすすめです。 - 自然な表情
無理に笑顔を作る必要はありませんが、硬い表情は避け、落ち着きと自信を感じさせる表情を心掛けて下さい。
- 直近のものを使用
履歴書の写真は、直近3ヶ月以内に撮影されたものを使用することが推奨されています。
- きちんとした髪型
髪の毛は整えられていることが必須です。伸びた髪の毛や乱れた髪型は印象を悪くします。清潔感のある印象を与えるようにしましょう。
上記の点を意識し、プロジェクトマネージャーとしてプロフェッショナルな自分を表現する写真を選びましょう。それが履歴書を一層引き立て、あなたの能力や適性がより高く評価されることに繋がります。
氏名
氏名の行間は、他の記入欄より広く設けられています。記入する際は、「読みやすい」「少し大きめの文字」「はっきりとした文字」を心掛けましょう。
やや大きめに氏名を書くことで、自信と存在感を示すことができます。逆に氏名が小さいと、自信の欠如や消極的な印象を与えることがあります。
氏名は戸籍に登録している漢字を記入します。普段、通称名を使用している方は、注意しましょう。
生年月日・年齢
日付は、履歴書全体で和暦か西暦のどちらかに統一します。
年齢は、履歴書提出日(履歴書の最上部に記入する日付)時点の年齢を記入します。履歴書作成から提出までの間に誕生日を迎える人は気を付けましょう。
性別
2021年4月16日、厚生労働省が新しい履歴書の様式を公表し、性別の欄を任意記入としました。新様式では、従来の履歴書に存在した「性別」の記入欄があるものの、記入は任意とされており、応募者が自らの性別を明らかにしたくない場合は記入しなくても差し支えありません。
- 性別の記入は任意。
- 「通勤時間」「扶養家族数(配偶者を除く)」「配偶者」「配偶者の扶養義務」の項目を削除。
一般に市販されている履歴書には、厚生労働省推奨の様式以外に、JIS規格や事務用品メーカー独自の様式などがあります。様式は、概ね統一されていますが、製造している事務用品メーカーにより多少異なります。性別が必須になっている履歴書もありますので、記入漏れがないように注意しましょう。
現住所・電話番号・E-mail
マンション名や部屋番号まで正確に記入します。
E-mailは、書類選考の結果通知や面接日程の調整など、多くのやり取りで使用されます。現在お勤め先のメールアドレスではなく、Gmailなどプライベートのメールアドレスを使用しましょう。
例.日中のご連絡は、メールにてお願いします。(xxx@xxx.xxx)
連絡先・電話番号・E-mail
現住所以外に連絡を希望する場合のみ記入します。現住所以外の連絡先がない場合、「同上」と記入します。
電話番号には、日中に連絡が付きやすい携帯番号を記入すると良いでしょう。
学歴・職歴
学歴・職歴共通
- 日付は、履歴書の提出日や生年月日なども含め、履歴書全体で和暦か西暦のどちらかに統一します。
- 学校名や企業名が変更になった場合、カッコ書きで現在の名称を記入します。
- ○○大学△△学部□□学科(現:☆☆大学)
- ○○株式会社(現:☆☆株式会社)
学歴
- 1行目の中央に「学歴」と書き、2行目から実際の学歴を書き始めます。
- 転職の場合、学歴よりも職歴が重要視されるため、高校卒業から記入するのが一般的です。
- 学校名は略さずに、正式名称で記入します。
- ○○県立△△高等学校
- 英語スキルなど、高校で学んだ知識をアピールする場合、学科も記入しましょう。
- ○○県立△△高等学校 国際科
- 大学院・大学・短大・専門学校の場合、学校名、学部、学科まで記入します。
- ○◯大学△△学部□□学科
職歴
- 学歴のあと、1行空けて、中央に「職歴」と記入します。
- 会社名は略さずに、法人格も含めて正式名称で記入します。特にNTTやNECように、通称と正式名称が違う場合は注意しましょう。
- ○○株式会社
- 配属先の部署名や職種も記入します。
- ○○事業部△△部□□課に配属。
- プロジェクトマネージャーとしてプロジェクト統括を担当。
- 人事異動や昇格、出向なども記入します。特に人事異動で職種が変更になった場合、記入漏れがないように注意が必要です。
例えば、新卒で営業部に配属になり、数年後にSEを経て、プロジェクトマネージャーに昇格した場合、記入を忘れるとSEやプロジェクトマネージャーとしての経験がアピールできなくなります。 - 担当した業務内容を簡潔に記入します。
- 現在、在職中の場合は、最後の職歴を書いた後に、改行して「現在に至る」と記入します。
退職予定日が決まっている場合は、「○○年○○月 退職予定」と記入します。 - 職歴の最後には、締め括りとして右詰めで「以上」と記入します。
プロジェクトマネージャーとしての豊富な経験と実績を際立たせるために、担当したプロジェクトの業務内容を記入したいところです。一方で、履歴書はスペースが限られているため、要点を絞り込み、簡潔・明瞭に記入する必要があります。
職務経歴書に詳しく職歴を記載しますので、履歴書では詳細な記載は避け、担当したプロジェクトの規模や予算、主な役割などに留めるようにしましょう。
資格・免許
転職活動を行う上で、プロジェクトマネージャーとしての専門性を示す資格は、履歴書において強力なアピールポイントになります。
- 略称や通称ではなく、正式名称で記入します。
- 資格・免許の名称が変更になっている場合、取得時の名称で記入します。
- 資格取得の準備中の場合、「○○年○○月受験予定」などと記入すると、アピールに繋がります。
- 空白はNGです。記入できる資格がない場合、「特になし」と書きましょう。
資格・免許の記入が終わったら、締め括りに右詰めで「以上」と記入します。
資格・免許には、有効期限のあるものがあります。取得した全ての資格・免許について、現在も有効か、必ず確認しましょう。
万が一、更新手続きを忘れ、失効してしまった場合、その資格が失効している旨を記載します。
志望の動機・特技・アピールポイント
この欄は履歴書の中で、他の応募者と差別化できる数少ないアピールエリアです。
人事担当者は、限られた情報の中から、あなたの人柄や会社への熱意を判断します。そのため、今までの経歴やスキルをアピールし、応募企業に入社したい理由、入社後どのように業績に貢献していきたいかをしっかり伝えましょう。
転職の場合、志望動機や自己PRについて、職務経歴書に詳しく記入します。そのため、職務経歴書の内容と矛盾しないように注意しましょう。
本人希望記入欄(給料・職種・勤務時間・勤務地など)
求人が複数ある場合など、どの職種・どの勤務地の求人に応募してきたのか、人事担当者が判断できない場合があります。そのため、最低でも職種・勤務地は記入するようにしましょう。
記入ミスを防ぐ方法
履歴書に記入できる内容は限られているので、他の応募者と差別化することは難しいでしょう。だからこそ、記入漏れや記入ミスなどがあれば、人事担当者の印象を悪くするので、細心の注意が必要です。
新卒で就職して以来、初めて転職活動するプロジェクトマネージャーにとっては、十数年ぶり(人によっては数十年ぶり)に履歴書を書く方もいるでしょう。プロジェクトマネージャーという職業上、重要書類に携わる場面が多いため、履歴書に記入ミスなどがあると、印象を悪くするだけでなく、プロジェクトマネージャーとしての資質を疑われる可能性があります。
人事担当者は限られた情報の中からあなたの人物像をイメージします。1項目ずつ、丁寧に書くことを心掛けましょう。
- 履歴書を書いた当日にチェックしない。
- 履歴書を書いた翌日以降にチェックする。
人は自分が書いた内容に対して一種の「盲点」を持っていることがあります。特に長時間、同じ文書に取り組んだ後は、自分が書いたミスを見過ごしやすくなります。目新しい情報には敏感ですが、繰り返し見た情報には注意力が鈍るためです。
そのため、履歴書を書いた当日は、自分の書いた内容に慣れ親しんでいるので、誤字脱字や文脈の誤りなどがあっても見落としてしまうことがよくあります。
この問題を解決するためには、履歴書を書き終えたら一旦それを置いておき、少なくとも一晩寝かせて「脳のリセット」を図ることが有効です。翌日以降に改めて履歴書をチェックすることで、文書に新鮮な目で向き合えるため、ミスを発見しやすくなります。
PM転職に困ったら、転職のプロに相談!
転職活動は、まるで複雑なプロジェクトを遂行するかのように、戦略的かつ精緻な計画が必要です。特に履歴書作成は、あなたの能力や経験を余すところなく伝えるための重要な文書です。しかし、時には書類作成における細部の注意点に迷ったり、どのように自分を市場にアピールすればいいのか見当がつかないこともあるでしょう。そんな時、転職エージェントの力を借りることが、成功への近道となります。
転職エージェントは、あなたのキャリアを熟考し、履歴書にどのような経験をどのように記載するかについて、アドバイスを提供してくれます。彼らは日々多くのプロジェクトマネージャーと接しており、どのようなスキルセットや経験が企業に求められているかを把握しています。あなたが見過ごしているかも知れない強みや、さらに磨くべきポイントを的確に指摘し、履歴書に最適な形で反映させるサポートをしてくれるのです。
また、転職エージェントは、企業との橋渡し役も担っています。あなたに最適な求人を見つけるため、広いネットワークを駆使してくれます。時には、まだ公にはなっていない求人情報を提供してくれることもあります。転職エージェントのサポートは、履歴書のブラッシュアップだけに留まらず、面接対策や年収交渉のアドバイスにも及びます。
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