- 資格取得を目指しているプロジェクトマネージャー
- プロジェクトマネージャーを目指しているITエンジニア(PL・SE)
この記事では、日本語で受験できるプロジェクトマネジメント(PM・PMO)資格・試験について、詳しく解説しています。
おすすめのプロジェクトマネジメント(PM・PMO)資格・試験
ここでは、日本語で受験できるプロジェクトマネジメント(PM・PMO)資格・試験について、詳しく解説しています。
プロジェクトマネージャ試験
資格種類 | 国家資格 |
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認定団体 | 独立行政法人情報処理推進機構(IPA) |
公式サイト | https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/pm.html |
試験日程 | 年1回(10月) |
試験方式 | 筆記 |
試験時間 |
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出題形式 |
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合格ライン | 非公開 |
受験資格 | なし |
受験料 | 7,500円(税込) |
有効期限 | なし |
合格率 | 13.5%(合格者数/受験者数) ※2023年秋期 |
資格保有者数 (累計) |
28,847名 ※2023年12月21日時点 |
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催するプロジェクトマネージャ試験は、日本国内で高い人気と評価を誇る国家資格の一つです。この資格は、IT業界におけるプロジェクト管理のスキルと知識を証明するものとして、業界内外で広く認知されています。
- 受験しやすい
多くのプロジェクトマネジメント資格では、受験するために特定の条件を満たす必要がありますが、プロジェクトマネージャ試験には特定の受験資格要件が設けられていません。さらに受験料は他のプロジェクトマネジメント資格と比較し、安価に設定されているため、資金面の負担は少なく、ITエンジニアにとって受験しやすい環境が整っています。また、プロジェクトマネージャ試験の場合、市販の参考書やオンラインコースなど、学習リソースが充実していることも、受験しやすい要因となっています。これらの教材は、試験の出題範囲を網羅的にカバーしており、自分の学習スタイルやレベルに合わせて選ぶことができます。
- 難易度が高い
プロジェクトマネージャ試験の難易度が高いと言われる要因に、出題範囲の広さがあります。プロジェクトマネジメントの基本から、リスク管理、品質管理、コスト管理など、プロジェクトを成功に導くために必要な知識が全て含まれています。さらに、情報技術に関する深い知識も求められるため、受験者は広範囲の分野に精通している必要があります。また、試験問題の形式も難易度を高める要因の一つです。多肢選択問題だけでなく、記述式や論述式問題も含まれており、実際のプロジェクトシナリオを想定した複雑な課題解決が求められます。ここでは、単に知識を記憶しているだけでは不十分で、その知識を活用し、具体的な状況下でどのように課題を解決するかが試されるのです。
- 試験は年1回(10月のみ)
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する情報処理技術者試験は、年2回(4月、10月)ありますが、プロジェクトマネージャ試験の実施は10月のみ(年1回)です。そのため、計画的に試験対策の学習を進めましょう。
PMP
資格種類 | 民間資格 |
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認定団体 | Project Management Institute, Inc.(PMI) |
公式サイト | https://www.pmi-japan.org/pmp_license/pmp/ |
試験日程 | 通年 |
試験方式 | CBT |
試験時間 | 230分(3時間50分) |
出題形式 | 180問 ※採点対象は175問(5問は予備問題のため、採点されません。) 複数選択・複数回答、空欄穴埋め、マッチング選択など |
合格ライン | 非公開 ※合格ラインは公開されていませんが、多くの受験者や関係者によると、正答率61%前後が目安と言われています。 |
受験資格 |
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受験料 |
|
有効期限 | 3年 |
合格率 | 非公開 |
資格保有者数 (累計) |
42,463名 ※2022年12月31日時点 |
- 国際的な知名度
PMPの最大の特徴はその国際的な知名度にあります。世界各国で同一の基準に基づいて認定されているため、PMPを持っているということは、国際的に通用するプロジェクト管理のプロフェッショナルであることを意味します。これは、グローバルなプロジェクトを手掛ける企業にとって、非常に魅力的な資格であると言えます。
Memo2022年12月末時点の資格保有者数
- 全世界:1,284,829名
- 日本 :42,463名
- PMBOKに準拠
プロジェクトマネジメントの国際標準であるPMBOKに沿った知識とスキルを身に付けることができます。これにより、世界中どこで働く場合でも、共通の言語でプロジェクトマネジメントを行うことが可能となり、プロジェクトの効率性と成功率を高めることができます。
MemoPMBOK(Project Management Body of Knowledge:プロジェクトマネジメント知識体系ガイド)は、世界的に認知されたプロジェクトマネジメントの知識体系です。世界中の多くの企業や組織でプロジェクトマネジメントのガイドラインとして採用されており、プロジェクトマネジメントのベストプラクティス集とされています。
- 高い難易度
PMPは広範囲にわたる知識エリアをカバーしており、プロジェクト管理の全プロセスに関連する様々な概念、ポリシー、および手法を理解している必要があります。さらに出題内容は単に知識を問うだけでなく、その知識を実際のプロジェクト管理にどのように適用するかという点も重視されます。つまり、理論だけでなく、実践的な思考が求められるのです。このため、試験準備には、単に参考書を読むだけではなく、実際のプロジェクト管理経験を振り返り、そこから学びを深めることが重要となります。
Memoプロジェクトマネジメントの実務経験やマネジメント研修の受講など、厳格な受験資格が設けられているのも、PMP取得の難易度が高いと言われる一因です。
P2M資格試験(PMC資格)
資格種類 | 民間資格 |
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認定団体 | 特定非営利活動法人 日本プロジェクトマネジメント協会 |
公式サイト | https://www.pmaj.or.jp/p2m/ |
試験日程 | 通年(年6回) |
試験方式 | CBT |
試験時間 | 75分 |
出題形式 | 50問 四肢択一 |
合格ライン | 正答率70%以上 |
受験資格 | PMC講習会(eラーニングを含む)を受講 |
受験料 | 17,050円(税込) |
有効期限 | 5年 |
合格率 | 57.7% ※2022年度 |
資格保有者数 (累計) |
4,067名 ※2022年度時点 |
その他 | PMC資格には、上位資格があります。(PMS資格、PMR資格、PMA資格) |
特定非営利活動法人 日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)が実施しているプロジェクトマネジメントに特化した資格・試験です。日本独自のマネジメントガイドライン「プログラム&プロジェクトマネジメント標準ガイドブック(P2M標準ガイドブック)」に準拠しており、日本企業の特徴を活かしたマネジメントスキルを習得することができます。
- 「プログラム&プロジェクトマネジメント標準ガイドブック」とは
特定非営利活動法人日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)が発行するプログラム&プロジェクトマネジメント標準ガイドブック(P2M標準ガイドブック)は、プロジェクトマネジメントの知識体系と実践方法をまとめた日本版規格です。2001年に初版が発行されて以降、改訂を重ね、現在は2015年4月に発行された改訂3版が最新版となっています。
- 日本企業の特性に応じたマネジメント手法を習得
グローバルスタンダードであるPMBOK(Project Management Body of Knowledge)とは異なり、日本の事業環境や文化的背景を考慮したプロジェクトマネジメントを習得することができます。
- 学生からベテランマネージャーまで、幅広い人材に対応
資格・試験は、難易度により4段階に分かれており、各人のスキルに応じて、レベルアップすることができます。
- 入門レベルプロジェクトマネジメント・コーディネータ資格(PMC資格)
- 基本レベルプロジェクトマネジメント・スペシャリスト資格(PMS資格)
- 実践レベルプログラムマネジャー・レジスタード資格(PMR資格)
- 上級レベルプログラムマネジメント・アーキテクト資格(PMA資格)
CompTIA Project+
資格種類 | 民間資格 |
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認定団体 | The Computing Technology Industry Association(CompTIA) |
公式サイト | https://www.comptia.jp/certif/additional_professional/comptia_project/ |
試験日程 | 通年 |
試験方式 | CBT |
試験時間 | 90分 |
出題形式 | 90問 単一/複数選択 |
合格ライン | 100~900のスコア形式 710スコア以上 |
受験資格 | なし |
受験料 | 47,672円(税込)※一般価格 ※他に、メンバー価格、CAPP Academic Partner価格があります。 |
有効期限 | なし |
合格率 | 非公開 |
資格保有者数 (累計) |
非公開 |
CompTIA Project+は、欧米を中心とし10拠点を持つ非営利のIT業界団体「CompTIA」が提供するプロジェクトマネジメントに特化した資格・試験です。マネジメント経験がないITエンジニアでも受験しやすい試験制度です。
- Point実務経験や研修などの受験資格(前提条件)はありません。
- Point資格の有効期限はありません。
- PointIT資格・試験でおなじみのピアソンVUE(全国100ヶ所以上の試験会場)で受験できます。
受験のハードルは低いものの、受験料は他の資格と比べ高額なので、入念な事前学習が必要です。
PMOスペシャリスト認定資格(PMOスペシャリスト(★))
資格種類 | 民間資格 |
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認定団体 | 一般社団法人 日本PMO協会 |
公式サイト | https://www.npmo.org/資格制度/ |
試験日程 | 通年 |
試験方式 | オンライン受験(自宅) |
試験時間 | 90分 |
出題形式 | 50問 択一式の選択回答方式 |
合格ライン | 正答率 80% |
受験資格 | 日本PMO協会または他団体のプロジェクトマネジメント関連資格を有している方。 指定のNPMO認定教材での学習を修了した方。 |
受験料 | 一般 13,200円(税込) ※他に会員価格もあります。 |
有効期限 | 2年 |
合格率 | 非公開 |
資格保有者数 (累計) |
非公開 |
その他 | PMOスペシャリスト(★)には、上位資格があります。 上位資格:PMOスペシャリスト(★★)、PMOスペシャリスト(★★★) |
PMOスペシャリスト認定資格は、一般社団法人 日本PMO協会が実施しているPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)に特化した資格・試験です。日本国内で受験できる唯一のPMO資格です。
- ISO21500に準拠
プロジェクトマネジメントの国際標準規格ISO21500に基づいており、PMOの現場業務で実際に必要となる知識・技術を体系的に習得できます。
- ランクアップ制度
PMOスペシャリスト認定資格は、ランクアップ制度を導入しており、自身のスキルと経験に応じて、段階的にステップアップできます。
- エントリーレベル PMOスペシャリスト(★)
- マネージャーレベルPMOスペシャリスト(★★)
- エキスパートレベルPMOスペシャリスト(★★★) ※策定中(2024年2月時点)
- 自宅でオンライン受験
eラーニングを活用し、自分のペースで学ぶことができ、試験も自宅からオンラインで受験できます。
プロジェクトマネジメント(PM・PMO)資格・試験を取得するメリット・デメリット
プロジェクトマネジメント(PM・PMO)の資格を取得することには、多くのメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。
メリット
体系的にスキルを習得できる
プロジェクトマネジメント資格を取得する最大のメリットの一つは、体系的にプロジェクトマネジメントのスキルを習得できる点にあります。資格取得のための学習は、プロジェクトの立ち上げから完了までの全工程を網羅しています。このような体系的な学習は、実務の中で直面する様々な課題に対応するための基盤を築くことができます。
スキルを客観的に証明できる
プロジェクトマネジメントの資格を取得することで、一定のスキルレベルに達していることを第三者にも理解してもらいやすくなります。これにより、プロジェクトマネージャーとしての信頼が高まり、社内外での評価も上がります。
年収アップにつながる
プロジェクトマネジメント資格を持つ人は、持たない人に比べて年収が高くなる傾向にあります。資格を持つことで、スキルや知識が高いと認められ、雇用市場での価値が向上し、より良い給与条件を引き出すことが可能となります。
転職に有利になる
資格は転職活動において大きな武器となります。プロジェクトマネジメントの資格を持つことで、採用担当者に対して強いアピールポイントとなり、他の候補者との差別化が図れます。特に、競争の激しいIT業界では、資格があることで即戦力として認識されることが多いです。
デメリット
お金と時間がかかる
資格を取得する過程には、考慮すべきデメリットもあります。資格試験の準備として必要な教材購入、講習会への参加、試験料など、多くの費用がかかります。また、資格取得に向けて勉強する時間を確保するため、仕事やプライベートの時間を調整しなければならないこともあります。
このように、プロジェクトマネジメント資格を取得することは多くのメリットをもたらしますが、投資する時間と費用を考慮する必要があります。これらの負担を考慮した上で、計画的に取り組むことが重要です。
まとめ
知名度があり、評価の高さで選ぶのであれば、プロジェクトマネージャ試験とPMPがおすすめ。
プロジェクトマネージャ試験は、受験資格がなく、誰でも受験できます。受験料も7,500円(税込)と格安で、コストパフォーマンスで選ぶならNo.1。
キャリアアップを目指すプロジェクトマネージャーには、PMPがおすすめ。受験するためには、マネジメントの実務経験が必要ですが、IT業界内の評価は最も高く、転職や昇進のチャンスが広がります。
PMOへのキャリアチェンジを考えているプロジェクトマネージャーの場合、PMOスペシャリスト認定資格がおすすめ。日本国内で唯一のPMO資格で、PMOの実務で必要なスキルを体系的に学ぶことができます。
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